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シンポジウム・研究集会の案内
2010年度日本プランクトン学会春季シンポジウム
(2010年度日本海洋学会春季大会シンポジウムG)
「原生生物の多様性と生態的機能」
   

主  催

日本プランクトン学会

共  催

日本海洋学会・日本ベントス学会

コンビーナー

大塚 攻(広島大学)・神山孝史(瀬戸内水研)・木元克典(JAMSTEC)

日  時

3月30日(火)09:00〜17:30

場  所

東京海洋大学品川キャンパス講義棟32番講義室(海洋学会春季大会第3会場)

趣  旨

 近年、分子系統学の著しい発展により原生生物の分類体系が大きく改変されようとしている。従来は単細胞性真核生物という簡単な定義でまとまっていたが、この中には多細胞生物が極端に退化したと思われるグループが存在すること、また、渦鞭毛藻類が繊毛虫およびマラリアと"アルベオラータ"と呼ばれる分類群を形成することは研究者を驚かせた。また、浮遊性有孔虫と放散虫の共生藻類の生産量は大きいことが知られ,一次生産への寄与は大きいことが注目されている.その共生藻類にはハプト藻,渦鞭毛藻,プラシノ藻,クリプト藻など高い多様性も知られ,共生種の生態系における機能は,より広い視野で検討する必要性に迫られている。一方、本邦において伝統的に現生の有孔虫、放散虫は古生物学研究者が、化石の残らない繊毛虫、鞭毛藻類などはプランクトン学研究者が研究をしてきたが、両者が一同に会して、海洋の原生生物について活発に意見交換をしたことはほとんどなかった。このような2つの観点から海洋の原生生物についての最近の情報を盛り込みながら、原生生物の進化、多様性、生態的機能を正しく理解し、海洋生態系の理解を深めたい。
プログラム
09:00-9:10 開会挨拶と趣旨説明
     大塚 攻(広大・院生物圏)
09:10-09:40 生物学の一大フロンティア:原生生物、特にエクスカヴァータについて
     中山剛(筑波大・生命環境)
09:40-10:10 アルベオラータ生物群:多様性と系統
     堀口健雄(北大・院理)
10:10-10:40 放散虫の生物学の到達点と種多様性
     ○鈴木紀毅(東北大・理)・相田吉昭(宇都宮大・農)
10:40-11:10 放散虫が語る環境変化と生物地理との関係:日本海のプランクトンは何処から来たのか?
     板木拓也(産業技術総合研究所)
11:10-11:20      休憩
11:20-11:50 渦鞭毛藻類シスト群集は富栄養化指標として有効か?
     松岡數充(長崎大・環東シナ海センター)
11:50-12:20 鞭毛藻類の生活史とその戦略の多様性
     ○石川 輝(三重大院・生物資源)・今井一郎(北大院・水産)
12:20-13:40      昼食
13:40-14:10 殻の化学:浮遊性有孔虫が記録する環境シグナル
     木元克典(JAMSTEC)
14:10-14:40 円石藻の形態・サイズ進化の解明への地質学的・生物学的アプローチ
     ○萩野恭子(岡山大学)・高野義人(長崎大学)・堀口健雄(北海道大学)
14:40-15:10 浮遊性繊毛虫の生活史と生態的機能
     神山孝史(水研セ瀬戸内水研)
15:10-15:20      休憩
15:20-15:50 動物プランクトンに共生する繊毛虫類の生活史と生態的機能
     ○大塚 攻(広大・院生物圏)・山口 篤(北大・院水産)・花村幸生(JIRCAS)
15:50-16:20 原生生物の寄生・共生者(ウイルスを中心に)
     ○長崎慶三・外丸裕司(水研セ瀬戸内水研)
16:20-16:50 総合討論 座長:コンビーナー
16:50-17:00 閉会挨拶
    今井一郎(日本プンラクトン学会会長・北海道大学)
<総会と懇親会のお知らせ>
シンポジウム終了後、同会場にて2010年度日本プランクトン学会総会を行います。
また総会終了後、日本プランクトン学会懇親会を予定しております。