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シンポジウム・研究集会の案内
2006年度日本プランクトン学会シンポジウム
(2006年度日本海洋学会春季大会シンポジウムF)
「プランクトン広域化とバラスト水」
   

主  催

日本プランクトン学会

共  催

日本海洋学会・日本ベントス学会

日  時

3月30日(木) 9:30 - 17:10

場  所

横浜市立大学本校舍(1号館)302号室

コンビーナー

福代康夫(東京大学)
大塚 攻(広島大学)

趣  旨

 水生生物が自然分布域を越えた水域に人為的に運ばれて定着し、新たな水域で生物生態系を乱している例が世界各地から報告されている。このような外来侵入生物には二枚貝やヒトデ、フジツボ類、海藻のように底生・付着生物が多く、その移動定着機構には、船体への付着やバラスト水への混入といった船舶を介する場合と、養殖や放流のための輸入あるいは輸入水産物に混入して移動といった水産関係の行為による場合が考えられている。ただ、調査研究の進展に伴い、渦鞭毛藻類、コペポーダやクシクラゲなどの終生プランクトンの場合には当然であるが、底生・付着生物でもプランクトン期幼生の時にバラスト水により大量に運ばれている可能性が考えられ、バラスト水による生物移動防除の重要性が指摘されてきている。
 世界海事機構ではこの問題を1980年代後半から取り上げ、2004年2月には「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」いわゆるバラスト水管理条約を採択して、国際航路に従事する船舶にバラスト水処理装置の装備を義務付けるなど、今後の方向性を明確にしている。しかし、処理装置の完成にはまだ多くの技術的問題が残されており、プランクトン研究者の協力が切に望まれている点も多い。
 本シンポジウムでは、プランクトン広域化の実態を最近の調査研究から明らかにし、さらにプランクトン処理装置による対策の可能性と問題点を検討して、今後の人為的生物広域化防除と海洋環境保全に資することを目的とした。
プログラム
9:30-9:40 開会挨拶と趣旨説明
   福代康夫(東京大学)
プランクトン広域化の実態
   座長 福代康夫(東京大学)
9:40-10:20 1.特定外来生物対策法と海産・汽水産外来生物
     岩崎敬二(奈良大学)
10:20-11:00 2.有害植物プランクトンの分布域と移動
     岩滝光儀・松岡數充(長崎大学))
11:00-11:40 3.バラスト水によるカイアシ類の導入と定着の実態
     大塚 攻(広島大学)
11:40-12:20 4.ベントスの侵入とバラスト水の役割
     大谷道夫(海洋生態研)
12:20-13:20      昼食
船舶バラストタンク内のプランクトン
   座長 大塚  攻(広島大学)
13:20-14:00 5.植物プランクトンの挙動
     岡本 研・小林 悠(東京大学)・石田廣史(神戸大学)
14:00-14:40 6.バラストタンク内における動物プランクトンの季節および日変動
     木村妙子・伊勢田真嗣(三重大学)・大塚攻(広島大学)
バラストタンク内のプランクトン殺滅
   座長 石丸 隆 (東京海洋大学)
14:40-15:20 7.条約におけるバラスト水処理基準とその問題点
     福代康夫(東京大学)
15:20-16:00 8.多様なバラスト水処理法の有用性と問題点
     吉田勝美(水圏科学コンサルタント)
16:00-16:40 9.処理法の開発 −スペシャルパイプ法
     菊地武晃(日本海難防止協会)
座長 コンビーナー
16:40-17:00 10.総合討論
17:00-17:10 閉会挨拶
    寺崎 誠(日本プランクトン学会会長・東京大学)
<総会と懇親会のお知らせ>
  総会: シンポジウム終了後、同会場にて2006年度日本プランクトン学会総会を行います。
  懇親会: 総会終了後(18:00頃より)、大学生協食堂で懇親会を予定しております。
※ シンポジウムは無料でどなたでも参加・聴講できます(事前登録不要)。
※ 懇親会は実費を申し受けます(2000円程度)。